発起設立と募集設立の違い

発起設立は、発起人が設立時に発行する株式をすべて引き受ける手続きです。
通常、家族や友人知人など、身近にいる人だけでお金を出し合い、出した者全員が発起人となります。

発起設立は募集設立と比べて手続きが簡易で費用も安くつきます。

まず発起人の数ですが、制限は特にありません。1名でもＯＫです。
仮に会社の資本金を100万円とし、1人で全部出せば発起人は1人ということになります。
家族や友人にもお金を出してもらった場合は、出した人全員が発起人ということです。

発起人は定款の作成など会社の設立にかかわりますので人数が多いほど時間がかかります。会社設立後、発起人は株主になります。つまり、会社ができた後、定款の変更など会社の重要事項を決めるとき株主総会を開くことになりますので、意見の食い違いなどまとまらないことも出てきます。

新会社法ができた後、発起人1人代表取締役1人の会社が増えていますが、会社を素早く設立でき、設立後の会社の運営もスムーズにいくためと思われます。

発起人となる者は、定款を作成し、その定款に記名押印する必要があります。定款は公証人役場で認証を受ける必要があります。そして、発起人は株式を引き受け、速やかに出資を履行します。事前に決めておいた銀行口座に、出資金を払い込みます。

発起設立の場合、金融機関に払込金保管証明書の発行を求める必要はなく、代表となる発起人の銀行口座に払込みすることで済みます。払込んだ銀行口座の通帳コピーでもって出資金の履行をした証明になります。